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ベネチア

絶品グルメを堪能するべネチアの美食の旅

芸術とロマンス、そして食がギュッと詰まった宝箱のような水の都ベネチア。
その魅力は、可愛い街並みやロマンチックなゴンドラだけじゃない!

美しいアドリア海の恵をうけた絶品海の幸を堪能する美食の旅で、ベネチアの真髄まで味わいたい。

今回は、短い滞在時間でも必食グルメとアート、ショッピングを楽しめる、欲張りな旅のプランでベネチアを巡りました。

PM 1:00 ヴェネツィア・テッセラ空港

イタリア、ベネチアのテッセラ空港(マルコポーロ国際空港)に到着したら、ベネチア本島にあるホテルへの移動は船がメインに。

ベネチア市街地は車の乗り入れができないので、ホテルまでは徒歩か船しか移動手段がありません。

空港からは、ヴァボレットと呼ばれる水上バスか、水上タクシーを利用するのが便利。宿泊先のホテルが運河に面していて、専用の船着場さえあえれば、水上タクシーはホテルの船着場まで送ってくれるので、スーツケースを持って橋の階段を登ったり降りたりしなくていいのがポイントです。

ただ、ベネチアの水位は潮の満ち引きに大きく影響されるため、カナルグランデのような大きな運河に面していないホテルだと(運河に掛かる橋の下をくぐれなくなるため)直接ホテルの船着場まで行ってくれないケースも。

PM 3:00 グリッティ パレス ホテル

今回は、水位の高さに影響されない大きな運河に面しているホテル、グリッティ・パレスに宿泊しました。サンマルコ広場やフェニーチェ劇場、アカデミア美術館にも近い、ロケーションも抜群のこのホテルは、1525年にヴェネツィアの名家グリッティ家の住居として建てられた歴史的建造物。

サマセット・モームやアーネスト・ヘミングウェイといった文豪たちにも愛されたホテルとしても知られており、ベネチア国際映画祭の時期には、セレブリティたちがこぞって訪れるアイコニックなスポットとなっています。ベネチアングラスのシャンデリアや絹の織物がエキゾチックな壁のファブリック、アンティークで揃えられた美しいインテリアに囲まれるだけでもこの街の魔法にかかってしまうはずです。

1階のバーで、テラス席から眺められる運河とサンタ・マリア・デラ・サルーテ教会に照らされるサンセットは、うっとりして言葉を失う圧巻の絶景です。

PM 4:00 カフェ「Pasticceria Tonolo」

ホテルにチェックインしたら、少しだけ街を散策。せっかくイタリアに来たのだから、美味しいコーヒーが飲みたくなります。

ベネチアのカフェといえば、サンマルコ広場にある『カフェ・フローリアン』が有名だけれど、地元ベネチアっ子たちが足繁く通う人気カフェといえば、ここ『パティスチェリア・トノロ』。サンタ・マルゲリータ広場の近くにあるこのカフェは、1886年創業の老舗のお菓子店。イタリア人の多くは、カフェに来ると椅子に座って長話をするよりも、カウンターに立ってコーヒーを一杯軽く飲んで済ませるスタイルが主流のよう。

イタリア定番のスイーツやヴェネツィア伝統のお菓子がカウンターにずらっと並び、指差しで注文できるのも楽しい。いつも、地元のお客さんや観光客で賑わっていますが、お店のおばさま達がとても手際よく接客していて回転も速いので、すぐに注文できるのもベネチア流です。

PM 7:30 トラットリア「Trattoria Antiche Carampane」

この日のディナーは『トラットリア・アンティケ・カランパーネ』へ。

私のベネチアで一番お気に入りのトラットリア。世界の著名人も通うかなりの人気店なので、予約は必須です。ディナーは、夜7時半からの部と夜9時半からの部という2部制で予約を受け付けています。

ベネチアに来たら、必ず食べてほしいのが地元の海鮮料理。特にアンティパスト・ミスト・クラッシコと呼ばれる、イワシの南蛮漬けや干し鱈のペースト、シャコの塩茹でといったベネチア特産の海鮮セレクションメニューは外せません。

そして、このアンティケ・カランパーネで一番の人気メニューといえば、地元特産のグランセオーラ(Granseola / スパイダークラブ)のパスタ。私が必ずこのお店でいただく鉄板メニューです。季節によっては、春先になるとモエケと呼ばれる甲羅の柔らかい蟹が食べられるようになるので、シーズンごとにベネチアを旅するのも楽しいポイント。

AM 10:00 美術館「カ・レッツォーニコ」

ベネチアは、2年に1度のアートの祭典として開催されるベネチア・ビエンナーレや現代アートの美術館ペギー・グーゲンハイムなどでもよく知られる『アートの街』。また、世界的に有名な画家たちを輩出したことで名高い街でもあります。ベリーニやディッツィアーノ、ティントレットといったルネッサンス期のベネチア人アーティストたちの貴重な作品が収められたアカデミア美術館も有名ですが、今回は18世紀美術館として知られる『カ・レッツォーニコ』へ。

『カ・レッツォーニコ』は、ベネチアの豪商であったレッツォーニコ家が1756年に完成させたというバロック様式の宮殿。この美術館では、当時のベネチアの豪商貴族たちの暮らしぶりが垣間見られるだけでなく、グアルディやカナレット、ティエポロといったアーティストたちの作品を鑑賞することができます。

PM 12:30 バーカロ「Baccalà Veneto」

ベネチアには、バーカロと呼ばれる立ち飲みワインバーがたくさんあります。なんと言っても人気の秘訣は、安くて美味しいこと。
バーカロでは、ベネチア名物のおつまみ料理「チケッティ」が楽しめます。

お店に入って、ワインを注文したらガラスケースやカウンターに並んでいるチケッティを注文します。チケッティは、鰯の甘酢漬けや、タラのペースト、ポルペッティと呼ばれるコロッケなど一口サイズのものが多く、指差しでオーダーすることが可能です。どれも美味しいのに、なんと1ユーロ〜3ユーロくらいで食べられるのが嬉しい。

ベネチア中にたくさんのバーカロがありますが、最近私がよく行くのが、バッカーラ・ベネトというお店。店頭で立ち飲み、立ち食いになりますが、お昼を軽く、でも美味しく済ませたい時には、本当に重宝します。

PM 2:00 シューズショップ「Piedàterre」

ベネチアの街を歩いていると、一度はこのスタイルの靴を履いている人を目にしたことがあるはず。何世紀にもわたって、ゴンドラの船頭さんたちが履いてきたという、ベネチア伝統のフルラーネシューズです。とってもカラフルで可愛らしいこの靴をスタイリッシュなデザインで、提供しているのが『Piedaterre(ピエダテール)』。

先ほどのバーカロのお店からも近い、リヤルト橋の店舗に私はよく行くのですが、アカデミア橋から近いカンポ・サント・ステファノ広場にもこちらよりもう少し大きい店舗があります。

驚くほどたくさんのカラーを取り揃えてあるのでコーデもしやすく、とっても履きやすいのでベネチアの街歩きにも本当にピッタリなアイテムです。

PM 3:00 カフェ「Rosa Salva - Sts. John and Paul」

ベネチアの街を歩き回っていると、やっぱり欲しくなるのが休息とコーヒー。暑いベネチアの夏には何が冷たい飲み物が飲みたくなるのが常です。

サンティ・ジョバンニ・エ・パオロ広場にある老舗カフェの『ロササルバ』のテラス席で一休みしながら、冷たいカフェ・シェケラートをいただくのは至極の時間。カフェ・シェケラートは、シェーカーに砂糖と氷を入れて、熱いエスプレッソを入れたら、カクテルを作るようによく振って、グラスに注いで飲む、イタリア版アイスコーヒー。爽やかな味わいで、喉を潤してくれます。

PM 4:00 食料品店「Prosciutto e Parmigiano」

せっかくイタリアに来たのだから、美味しいイタリアのチーズを持ち帰りたい!(ソーセージなどの肉類は日本に持ち帰ることはできません)
ハードタイプのチーズなら、真空パックに入れて持ち帰ることができます。

なかでも、こちらのお店『プロシュート・エ・パルミジャーノ』は、ハードタイプのチーズやそのほかの食品を真空パックにしてくれます。真空パックならスーツケースに入れても、チーズの気になる匂いが広がらなくて安心。

「アジアーゴ」などベネチアを代表するチーズや美味しいパルメザンチーズなども同店で調達可能。また、北イタリアではお馴染みの「モスタルダ」もオススメです。モスタルダは、カットした果物を砂糖漬けにして辛子入りのシロップにつけた保存食。茹でたお肉料理やチーズにつけて食べるととても美味しいですよ!

PM 7:30 レストラン「Osteria alle Testiere」

ベネチアに通うようになってから、私が一番長い間、足を運んでいるレストランがここ『アッレ・テスティエーレ』。
小さなレストランで、座席数が少ないので、こちらも予約は必須です(ランチなら予約なしでも入れることがあります)。こちらのレストランも夜7時30分からと9時30分からの2部制をとっています。

アッレ・テスティエーレは、「その日に近海で獲れた新鮮な魚介類をテーブルへ」がコンセプトのお店。旬の魚を本当に新鮮に、美味しく食べられるお店として世界中からお客さんが集まってくることでも知られています。店主のルカさんが「本日のお魚料理」を丁寧に説明してくれます。

今回は、レイザークラム(マテ貝)が入っていて、私も大興奮。見た目はちょっと…ですが、本当に美味しい貝なんです。また、旬のシーズンしか食べられないイカのグリルも絶品。ベネチアに来る醍醐味は、やはり美味しい地元の海産物を使った料理にある!と思いますね。

AM 10:00 ヴェネツィア

ベネチアの街を散歩するなら、やっぱり朝がオススメ。徒歩だからこそ、街のさまざまなアートや建築物の面白さを発見できるけれど、細い路地が多いので観光客が増える午後よりも朝の方が自分のペースで歩けることがポイントです。

サンマルコ寺院の装飾を観察したり、バンクシーのアートを街角で発見したりするのもベネチア観光の醍醐味。朝起きて、朝食をとったら、目的を作らずに歩き回ってみるのもいいかも。

PM 12:30 レストラン「Corte Sconta」

この日は、朝からたくさん歩いたので、チケッティよりもいっぱいランチが食べたい!ということでやってきたのが『コルテ・スコンタ』。
このレストランも、ベネチアの近海で穫れた新鮮な魚介類が美味しいという評判のお店として知られています。

特に、夏は中庭のテーブルで食べると本当に気持ちがいいです。ベネチアに来たのだから、もちろんオーダーするのはアンティパスト・ミスト・クラッシコ(ベネチア伝統の海鮮セレクション)。コルテ・スコンタは、モエケ(ソフトシェル・クラブ)も絶品で、同店の人気メニューとなっているので、モエケを食べてみたい場合は、店員さんに当日入荷しているか確認してみるといいかもしれません。

ベネト州名産のワイン、ソアヴェとともにベネチアの美味しい魚介類に舌鼓を打つのは最高のひと時です。

PM 3:00 ヴェネツィア・テッセラ空港

チェックアウトの時間になったら、ホテルのフロントデスクでベネチア・テッセラ空港(マルコ・ポーロ空港)行きの水上タクシーを手配してもらいます。ベネチアの絶景を最後の最後まで楽しめるのは、水上タクシーならでは。最終日まで、ベネチアのロマンチックな世界にに酔いしれることができました。

MUSE

この記事を書いたライターのプロフィール画像
akikoOAPディレクター、文筆家

英国オックスフォードで、カルチャーやアカデミックなプログラムを提供するオックスフォード・アカデミック・プログラムズのディレクターを務めるかたわら、ライターや翻訳家として...

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